6月16日、大子漆保存会の皆さまが漆壺作りをするのを見せていただきました。漆壺は漆掻きのときに漆を取り溜める携帯用の壺で、この辺りでは’チャンポ’とも呼ぶそうです。材料は朴の木の皮です。皮は立木から剥ぐこともあるそうですが、今回は木を倒し、適当な長さに切った丸太を作業場に持ち帰っての作業となりました。まず、皮に切れ目を入れ、皮剥ぎ鎌の先を皮の間に慎重に差し入れていくと、ある時点で面白いようにつるりと皮が剥がれます。皮を剥がれた木の肌にじわりと水分が浮き出てきました。この時期にしか皮がきれいに剥がれないという水分の多さを実感いたしました。皮が柔らかい内に漆壺を形作り、皮をむいた木も材として使用するということです。